夜間工事の労務単価
16-Dec-2020
公共土木工事において、夜間工事の労務単価について、筆者の備忘録として記録いたします。 数値的なものは、各都道府県の最新の積算基準をご参照下さい。
労務費
労務費:工事を施工するのに必要な労務の費用。算定は以下による。
(1) 所用人員
所要人員は、原則として、現場条件や工事規模を考慮して工事ごとに査定するが、一般に過去の実績及び検討により得られた標準的な歩掛を使用する。
(2) 労務賃金
労務賃金は、労働者に支払われる賃金であって,直接作業に従事した時間の労務費の基本給をいい、基本給は、「公共工事設計労務単価」等を使用する。
基準作業時間外の作業及び特殊条件により作業に従事して支払われる賃金を割増賃金といい、割増賃金は、従事した時間及び条件によって加算する。
(3) 夜間工事の労務単価
労務単価の割増しを行うのは、以下の場合。
1)通常勤務すべき時間帯(8h~17h)を超えて、作業を計画する場合。
イ) 深夜時間(22h~5h)については、深夜時間外割増し(基準額×割増対象賃金比×1.50)とする。
ロ) 深夜時間(22h~5h)以外の通常勤務すべき時間帯(8h~17h)を超えた時間帯は、時間外割増し(基準額×割増対象賃金比×1.25)とする。
なお、休憩は超過勤務4時間を超えるごとに30分の休憩を与える。
2)2交替、3交替を計画する場合、所定労働時間(実働時間8h+休息時間1h)内は、基準額とする。その内、深夜部分(22h~5h)にかかる時間帯は、深夜割増し(基準額×割増対象賃金比×0.25)を加算する。
ただし、2交替の場合にあって、所定労働時間を超える場合は、時間外割増し(基準額×割増対象賃金比×1.25)、及び深夜時間外割増し(基準額×割増対象賃金比×1.50)を加算する。
3)現場条件により、やむを得ず、通常勤務すべき時間帯(8h~17h)を外して作業を計画する場合。
イ) 所定労働時間内で17h~20h及び6h~8hにかかる時間帯は、基準額とする。
ロ) 所定労働時間内で20h~6hにかかる時間帯は基準額に1.5 を乗ずる。
ただし、作業開始から所定労働時間内までとし、所定労働時間を超えた時間帯については、「1)通常勤務すべき時間帯(8h~17h)を超えて、作業を計画する場合。」による。
国土交通省 割増対象賃金比及び1時間当り割増賃金係数<令和2年3月から適用>
割増対象賃金比及び1時間当り割増賃金係数 <令和2年3月から適用> PDF
割増賃金の計上が必要な場合の労務費(割増賃金を含む総額)の計算例
(1) 時間外
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- 所定労働時間の8時間+2時間の時間外労働を行う場合(すべて深夜以外の時間帯の場合)
労務費(総額)
=単価+単価×K(割増係数1.25の場合の値)×2時間 - 所定労働時間の8時間+4時間の時間外労働を行い、うち2時間が深夜の時間帯の場合
労務費(総額)
=単価+単価×K(割増係数1.25の場合の値)×4時間
+単価×K(割増係数0.25の場合の値)×2時間
- 所定労働時間の8時間+2時間の時間外労働を行う場合(すべて深夜以外の時間帯の場合)
(2) 休 日
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- 休日に8時間の労働を行う場合(すべて深夜以外の時間帯の場合)
労務費(総額)
=単価×K(割増係数1.35の場合の値)×8時間 - 休日に9時間の労働を行う場合(すべて深夜以外の時間帯の場合)
労務費(総額)
=単価×K(割増係数1.35の場合の値)×9時間 - 休日に10時間の労働を行い、うち2時間が深夜の時間帯の場合
労務費(総額)
=単価×K(割増係数1.35の場合の値)×10時間
+単価×K(割増係数0.25の場合の値)×2時間
- 休日に8時間の労働を行う場合(すべて深夜以外の時間帯の場合)
(3) 深 夜
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- 所定労働時間8時間の労働を行い、うち3時間が深夜の時間帯の場合
労務費(総額)
=単価+単価×K(割増係数0.25の場合の値)×3時間
- 所定労働時間8時間の労働を行い、うち3時間が深夜の時間帯の場合
[Memo]時間的制約を受ける公共土木工事の積算