塗装工事における、素地ごしらえ・下地調整・素地調整
26-Oct-2020
素地ごしらえ
木部の素地ごしらえ
木部の素地ごしらえ(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工程 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | ||||
A種 | B種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | ― | 木部を傷つけないように除去し、油類は、溶剤等でふき取る。 | ||
2 | やに処理 | 〇 | 〇 | ― | やには、削り取り又は電気ごて焼きのうえ、溶剤等でふき取る。 | ||
3 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | 研磨紙P120~220 | かんな目、逆目、けば等を研磨する。 | ||
4 | 節止め | 〇 | ― | JASS 18 M-304 |
木部下塗り用 調合ペイント |
合成樹脂 | 節及びその周囲に、はけ塗りを行う。 |
JASS 18 M-304 |
セラックニス類 | 白ラック ニス1種 |
|||||
5 | 穴埋め | 〇 | ― | JIS K 5669 | 合成樹脂エマ ルションパテ |
耐水形 | 割れ、穴、隙間、くぼみ等に充填する。 |
6 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 穴埋め乾燥後、全面を平らに研磨する。 |
注1)ラワン、しおじ等導管の深いものの場合は、必要に応じて、工程2の後に塗料の製造所の指定する目止め処理を行う。
注2)合成樹脂エマルションパテは、外部に用いない。
注3)JASS 18 M-304 及び M-308 は、日本建築学会材料規格である。
注4)工程4 節止めにおいて、JASS18 M-304 は合成樹脂調合ペイント及びつや有合成樹脂エマルションペイントに適用し、それ以外は JASS 18 M-308 を適用する。
鉄鋼面の素地ごしらえ
鉄鋼面の素地ごしらえ(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工程 | 種別 | 面の処理 | 備考 | |||
A種 | B種 | C種 | ||||
1 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | ― | 〇 | スクレーパー、ワイヤブラシ等で除去 | ― |
2 | 油類除去 | 〇 | ― | ― | 弱アルカリ性脱脂剤で加熱処理後、湯又は水洗い | ― |
― | 〇 | 〇 | 溶剤ぶき | |||
3 | 錆落し | 〇 | ― | ― | 酸漬け、中和及び湯洗いにより除去 | 直ちに次の工程に移る。 |
― | 〇 | ― | ブラスト法により除去 | |||
― | ― | 〇 | ディスクサンダー、スクレーパー、ワイヤブラシ、研磨紙P120~220等で除去 | |||
4 | 穴埋め | 〇 | ― | ― | りん酸塩処理後、湯洗い乾燥 |
注) A種及びB種は、製作工場で行うものとする。
亜鉛めっき鋼面の素地ごしらえ
亜鉛めっき鋼面の素地ごしらえ(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工程 | 種別 | 面の処理 | 備考 | ||
A種 | B種 | ||||
1 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | スクレーパー、ワイヤブラシ等で除去 | ― |
2 | 油類除去 | 〇 | ― | 弱アルカリ性脱脂剤で加熱処理後、湯又は水洗い | ― |
― | 〇 | 溶剤ぶき | |||
3 | 化成皮膜処理 | 〇 | ― | りん酸塩処理後、水洗い乾燥又はクロメートフリー処理後、乾燥 | ― |
注1)A種は製造所等で行うものとする。
注2)鋼製建具等に使用する亜鉛めっき鋼板の種別は、B種とし、工程3の化成皮膜処理を行ったものとする。
モルタル面及びプラスター面の素地ごしらえ
モルタル面及びプラスター面の素地ごしらえ(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工程 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | ||||
A種 | B種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 乾燥 | 〇 | 〇 | ー | 素地を十分に乾燥させる。 | ||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | ー | 素地を傷つけないように除去する。 | ||
3 | 吸込止め | 〇 | 〇 | JIS K 5663 | 合成樹脂エマルションシーラー | ― | 全面に塗り付ける。 |
4 | 穴埋め、パテかい | 〇 | 〇 | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1 | ひび割れ、穴等を埋めて、不陸を調整する。 |
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | |||||
5 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | 研磨紙P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 | ||
6 | パテしごき | 〇 | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1 | 全面にパテをしごき取り平滑にする。 |
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | |||||
7 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 穴埋め乾燥後、全面を平らに研磨する。 |
注1)アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの場合、工程3の吸込止めは、塗料の製造所の指定するものとする。
注2)仕上材が仕上塗材の場合、パテ及び工程3の吸込止めは、仕上塗材の製造所の指定するものとする。
注3)仕上材が壁紙の場合、パテ及び工程3の吸込止めは、壁紙専用のものとする。
注4)仕上材がマスチック塗材塗りの場合、工程3の吸込止めを省略する。
注5)合成樹脂エマルションパテは、外部に用いない。
コンクリート面、ALCパネル面及び押出成形セメント板面の素地ごしらえ
コンクリート面及びALCパネル面の素地ごしらえ (公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工程 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | ||||
A種 | B種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 乾燥 | 〇 | 〇 | ― | 素地を十分に乾燥させる。 | ||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷つけないように除去する。 | ||
3 | 吸込止め | 〇 | 〇 | JIS K 5663 | 合成樹脂エマルションシーラー | ― | 全面に塗り付ける。 |
4 | 下地調整塗り | 〇 | 〇 | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1、C-2、CM-2又はE | 全面に塗り付けて平滑にする。 |
5 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | 研磨紙P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 | ||
6 | パテしごき | 〇 | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1 | 全面にパテをしごき取り平滑にする。 |
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | |||||
7 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 穴埋め乾燥後、全面を平らに研磨する。 |
注1) コンクリート面の場合は、工程4の建築用下地調整塗材が C-1、C-2 又は CM-2 の場合、工程3を省略する。
注2) 合成樹脂エマルションパテは、外部に用いない。
注3) 工程4の建築用下地調整塗材の C-1、C-2、CM-2 又は E の使い分けは、「左官工事」[下地調整](1)及び(4)による。
「左官工事」[下地調整]
(1) コンクリート面の下地調整は、次による。
ア) 目違いは、サンダー掛け等により取り除く。
イ) 下地面の清掃を行う。
ウ) 下地調整塗材 C-2 を、1~2mm 程度全面に塗り付けて、平滑にする。ただし、スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は、省略する。
エ) 下地の不陸調整厚さが1mm 以下の場合は、ウ) の下地調整塗材 C-2 に代えて、下地調整塗材 C-1 を平滑に塗り付けることができる。
オ) 下地の不陸調整厚さが3mm を超えて 10mm 以下の場合は、ウ) の下地調整塗材 C-2 に代えて、下地調整塗材 CM-2 を平滑に塗り付ける。
(4) ALCパネル面の下地調整は、次による。
ア) 下地面の清掃を行う。
イ) 合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし、下地調整塗材Eで代用する場合は、省略することができる。
ウ) 屋外は、仕上塗材の製造所の仕様により下地調整塗材 C-1 又は下地調整塗材Eを全面に塗り付けて、平滑にする。ただし、外装薄塗材S仕上げの場合は、下地調整塗材 C-2 を全面に塗り付けて、平滑にする。
コンクリート面及び押出成形セメント板面の素地ごしらえ (公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工程 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | ||||
A種 | B種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 乾燥 | 〇 | 〇 | ― | 素地を十分に乾燥させる。 | ||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷つけないように除去する。 | ||
3 | 下地調整塗り | 〇 | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1、C-2、CM-2又はE | 全面に塗り付けて平滑にする。 |
4 | 吸込止め | 〇 | 〇 | JASS 18 M-201 | 反応形合成樹脂シーラーおよび弱溶剤系反応形合成樹脂シーラー | ― | 全面に塗り付ける。 |
5 | パテしごき | 〇 | ― | JASS 18 M-202 | 反応形合成樹脂パテ | 2液形エポキシ樹脂パテ | 全面にしごき取り平滑にする。 |
7 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、全面を平らに研磨する。 |
注1) 押出成形セメント板面の場合は、工程3を省略する。
注2) 工程4のシーラー及び工程5のパテは、上塗塗料の製造所の指定するものとする。
注3) JASS 18 M-201 及び M-202 は、日本建築学会材料規格である。
注4) 工程3の建築用下地調整塗材の C-1、C-2 又は CM-2 の使い分けは、左官工事[下地調整](1)及び(5)による。
「左官工事」[下地調整]
(1) コンクリート面の下地調整は、次による。
ア) 目違いは、サンダー掛け等により取り除く。
イ) 下地面の清掃を行う。
ウ) 下地調整塗材 C-2 を、1~2mm 程度全面に塗り付けて、平滑にする。ただし、スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は、省略する。
エ) 下地の不陸調整厚さが1mm 以下の場合は、ウ) の下地調整塗材 C-2 に代えて、下地調整塗材 C-1 を平滑に塗り付けることができる。
オ) 下地の不陸調整厚さが3mm を超えて 10mm 以下の場合は、ウ) の下地調整塗材 C-2 に代えて、下地調整塗材 CM-2 を平滑に塗り付ける。
(5) 押出成形セメント板面の下地調整は、次による。
ア) 下地面の清掃を行う。
イ) 合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし、下地調整塗材Eで代用する場合は、省略することができる。
ウ) 日本建築学会材料規格 JASS 18 M-201[反応形合成樹脂シーラーおよび弱溶剤系反応硬化形合成樹脂シーラー]に基づく塗料を全面に塗り付ける。なお、仕上塗材の製造所の仕様により、下塗材を JASS 18 M-201 に基づく塗料で、代用することができる。
せっこうボード面及びその他ボード面の素地ごしらえ
せっこうボード面及びその他ボード面の素地ごしらえ(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工程 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | ||||
A種 | B種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 乾燥 | 〇 | 〇 | ― | 継目処理部分を十分に乾燥させる。 | ||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷つけないように除去する。 | ||
3 | 穴埋め、パテかい | 〇 | 〇 | JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 一般形 | 釘頭、たたき跡、傷等を埋め、不陸を調整する。 |
JIS A 6914 | せっこうボード用目地処理材 | ジョイントコンパウンド | |||||
4 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、全面を平らに研磨する。 | ||
5 | パテしごき | 〇 | ― | JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 一般形 | 全面にしごき取り平滑にする。 |
JIS A 6914 | せっこうボード用目地処理材 | ジョイントコンパウンド | |||||
7 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、全面を平らに研磨する。 |
注1) 屋外及び水回り部の場合、工程3及び工程5の合成樹脂エマルションパテは、塗料の製造所の指定するものとする。
注2) 工程3及び工程5のせっこうボード用目地処理材は、素地がせっこうボードの場合に適用する。
注3) けい酸カルシウム板面の場合は、工程3の前に吸込み止めとして JASS18 M-201 に基づく塗料を全面に塗る。ただし、屋内で現場塗装する場合、吸込み止めに用いる材料は、上塗塗料の製造所の指定する水系塗料とする。
注4) 仕上材が仕上塗材の場合は、パテは、仕上塗材の製造所の指定するものとする。
注5) 仕上材が壁紙の場合は、パテは、壁紙専用のものとする。
下地調整
木部の下地調整
木部の下地調整 (公共建築工事改修標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工種 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | |||||
RA種 | RB種 | RC種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 既存塗膜の除去 | 〇 | ― | ― | ― | スクレーパー、研磨紙等により、全面除去する。 | ||
― | 〇 | ― | ― | スクレーパー、研磨紙等により、劣化部分を全面除去し、活膜は残す。 | ||||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | 〇 | ― | 木部を傷つけないように除去し、油類は、溶剤等でふき取る。 | ||
3 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 露出素地面、既存塗膜面を研磨する。 | ||
― | ― | 〇 | 研磨紙 P240~P20 | |||||
4 | 節止め | 〇 | ― | ― | JASS 18 M-304 | 木部下塗り用調合ペイント | 合成樹脂 | 節及びその周囲に、はけ塗りを行う。 |
JASS 18 M-308 | セラックニス類 | 白ラックニス1類 | ||||||
5 | 穴埋め | 〇 | ― | ― | JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | 割れ、穴、隙間、くぼみ等に充填する。 |
6 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | ― | 研磨紙 P120~220 | 穴埋め乾燥後、全面を平らに研磨する。 |
注1)木部に新規に塗装を行う場合は、RA種 (不透明塗料塗りの場合) 又はRB種 (透明塗料塗りの場合) とし、工程1を省略し、工程2と3の間にやに処理を行う。
注2)やに処理は、やにを、削り取り又は電気ごて焼きのうえ、溶剤等でふき取る。
注3)ラワン、しおじ等導管の深いものの場合は、必要に応じて、工程2の後に、塗料の製造所の指定する目止め処理を行う。
注4)合成樹脂エマルションパテは、外部に用いない。
注5)JASS 18 M-304 及び M-308 は、日本建築学会材料規格である。
注6)工程4において、JASS18 M-304 は合成樹脂調合ペイント及びつや有り合成樹脂エマルションペイントに適用し、それ以外は JASS 18 M-308 を適用する。
鉄鋼面の下地調整
鉄鋼面の下地調整 (公共建築工事改修標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工種 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | |||
RA種 | RB種 | RC種 | ||||
1 | 既存塗膜の除去 | 〇 | ― | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、塗膜及び錆等を全面除去する。 |
― | 〇 | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、劣化しぜい弱な部分及び錆等を除去し、活膜は残す。 | ||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷つけないようにワイヤブラシ等により、除去する。 |
3 | 油類除去 | 〇 | 〇 | ― | ― | 溶剤ぶき |
4 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 全面を平らに研磨し、研磨かす等を除去する。 |
― | ― | 〇 | 研磨紙 P240~320 |
注)新規鉄鋼面に塗装を行う場合は、RA種とし、工程1を省略し、工程4をブラスト処理による錆落とし又はディスクサンダー、スクレーパー等による錆落としとする。
亜鉛めっき鋼面の下地調整
亜鉛めっき鋼面の下地調整 (公共建築工事改修標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工種 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | |||
RA種 | RB種 | RC種 | ||||
1 | 既存塗膜の除去 | 〇 | ― | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、塗膜及び錆等を全面除去する。 |
― | 〇 | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、劣化しぜい弱な部分及び錆等を除去し、活膜は残す。 | ||
2 | 錆の除去 | 〇 | 〇 | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、除去する。 |
3 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷つけないようにワイヤブラシ等により、除去する。 |
4 | 油類除去 | 〇 | 〇 | ― | ― | 溶剤ぶき |
5 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | 〇 | 研磨紙 P240~320 | 全面を平らに研磨し、研磨かす等を除去する。 |
注1)無塗装既存亜鉛めっき鋼面に塗装を行う場合は、RA種とし、工程1を省略する。
注2)新規鋼製建具等に使用する亜鉛めっき鋼板は、鋼板の製造所等で化成皮膜処理を行ったものとし、下地調整はRC種として、工程5に代えて、油類除去 (溶剤ぶき) を行う。
注3)鋼製建具以外の新規亜鉛めっき鋼面に塗装を行う場合のRA種は、工程1及び2を省略し、工程4に代えて、弱アルカリ性脱脂剤で加熱処理後、湯又は水洗いとし、化成皮膜処理を行う。
モルタル面及びプラスター面の下地調整
モルタル面及びプラスター面の下地調整 (公共建築工事改修標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工種 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | |||||
RA種 | RB種 | RC種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 既存塗膜の除去 | 〇 | ― | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、全面除去する。 | ||
― | 〇 | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、劣化しぜい弱な部分を除去する。 | ||||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷付けないようにワイヤブラシ等により、除去する。 | ||
3 | ひび割れ部の補修 | 〇 | 〇 | ― | ― | 特記による。 | ||
4 | 吸込止め | 〇 | 〇 | ― | JIS K 5663 | 合成樹脂エマルションシーラー | ― | 全面に塗り付ける。 |
5 | 穴埋め、パテかい | 〇 | 〇 | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1 | ひび割れ、穴等を埋めて不陸を調整する。 |
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | ||||||
6 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 | ||
― | ― | 〇 | 研磨紙 P240~P20 | |||||
5 | パテしごき | 〇 | ― | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1 | 全面にパテをしごき取り平滑にする。 |
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | ||||||
6 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 |
注1)アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの場合、工程4の吸込止めは、塗料の製造所の指定するものとする。
注2)仕上材が仕上塗材の場合、パテ及び工程4の吸込止めは、仕上塗材の製造所の指定するものとする。
注3)仕上材が壁紙の場合、パテ及び工程4の吸込止めは、壁紙専用のものとする。
注4)仕上材がマスチック塗材塗りの場合は、工程4の吸込止めを省略する。
注5)合成樹脂エマルションパテは、外部に用いない。
注6)新規に塗装又は壁紙張りを行う場合は、RA種又はRB種とし、工程1に代えて、素地を十分に乾燥させ工程3を省略する。
注7)塗替え等の場合は、工程4を省略する。
コンクリート面、ALCパネル面及び押出成形セメント板面の下地調整
コンクリート面及びALCパネル面の下地調整 (公共建築工事改修標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工種 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | |||||
RA種 | RB種 | RC種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 既存塗膜の除去 | 〇 | ― | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、全面除去する。 | ||
― | 〇 | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、劣化しぜい弱な部分を除去する。 | ||||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷付けないようにワイヤブラシ等により、除去する。 | ||
3 | ひび割れ部の補修 | 〇 | 〇 | ― | ― | 特記による。 | ||
4 | 吸込止め | 〇 | 〇 | ― | JIS K 5663 | 合成樹脂エマルションシーラー | ― | 全面に塗り付ける。 |
5 | 下地調整塗り | 〇 | ― | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1、C-2、CM-2又はE | 全面に塗り付けて平滑にする。 |
― | 〇 | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1、C-2、CM-2又はE | 既存の塗膜の除去部分の不陸を調整する。 | ||
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | ||||||
6 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 | ||
― | ― | 〇 | 研磨紙 P240~P20 | |||||
7 | パテしごき | 〇 | ― | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1 | 全面にパテをしごき取り平滑にする。 |
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | ||||||
8 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 |
注1)コンクリート面の場合は、工程5の建築用下地調整塗材が C-1、C-2 又は CM-2 の場合、工程4は省略する。
注2)合成樹脂エマルションパテは、外部に用いない。
注3)工程 5 の建築用下地調整塗材の C-1、C-2、CM-2 又は E の使い分けは、[既存コンクリート打放し仕上げ外壁、既存モルタル塗り仕上外壁等の下地調整](ア)及び(ウ)による。
注4)新規に塗装を行う場合は、RA種とし、工程1に代えて、素地を十分に乾燥させて、工程3を省略する。
[既存コンクリート打放し仕上げ外壁、既存モルタル塗り仕上外壁等の下地調整]
(ア)コンクリート面の下地調整は、次による。
(a) 目違いは、サンダー掛け等により取り除く。
(b) 下地面の清掃を行う。
(c) 下地調整塗材C-2を、1~2mm 程度全面に塗り付けて、平滑にする。ただし、スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は、省略する。
(d) 下地の不陸調整厚さが1mm 以下の場合は、(c)の下地調整塗材C-2に代えて、下地調整塗材C-1を平滑に塗付けることができる。
(e) 下地の不陸調整厚さが3mm を超えて 10mm 以下の場合は、(c)の下地調整塗材C-2に代えて、下地調整塗材CM-2を平滑に塗り付ける。
(ウ)ALCパネル面の下地調整は、次による。
(a) 下地面の清掃を行う。
(b) 合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし、下地調整塗材Eで代用する場合は、省略することができる。
(c) 仕上塗材の製造所の仕様により下地調整塗材C-1又は下地調整塗材Eを全面に塗り付けて、平滑にする。ただし、外装薄塗材S仕上げの場合は、下地調整塗材C-2を全面に塗り付けて、平滑にする。
コンクリート面及び押出成形セメント板面の下地調整 (公共建築工事改修標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工種 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | |||||
RA種 | RB種 | RC種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 既存塗膜の除去 | 〇 | ― | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、全面除去する。 | ||
― | 〇 | ― | ― | ディスクサンダー、スクレーパー等により、劣化しぜい弱な部分を除去する。 | ||||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷付けないようにワイヤブラシ等により、除去する。 | ||
3 | ひび割れ部の補修 | 〇 | 〇 | ― | ― | 特記による。 | ||
4 | 下地調整塗り | 〇 | ― | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1、C-2、CM-2又はE | 全面に塗り付けて平滑にする。 |
― | 〇 | ― | JIS A 6916 | 建築用下地調整塗材 | C-1、C-2、CM-2又はE | 既存の塗膜の除去部分の不陸を調整する。 | ||
JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 耐水形 | ||||||
5 | 吸込止め | 〇 | 〇 | ― | JASS 18 M-201 | 反応形合成樹脂シーラーおよび弱溶剤系反応形合成樹脂シーラー | ― | 全面に塗り付ける。 |
6 | パテしごき | 〇 | ― | ― | JASS 18 M-202 | 反応形合成樹脂パテ | 2液形エポキシ樹脂パテ | 全面にパテをしごき取り平滑にする。 |
7 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 | ||
― | ― | 〇 | 研磨紙 P220~320 |
注1)押出成形セメント板面の場合は、工程4を省略する。
注2)工程5のシーラー及び工程6のパテの塗料は、上塗塗料の製造所の指定するものとする。
注3)新規に塗装を行う場合は、RA種(ただし、新規材料面に耐候性塗料塗り以外の塗装を行う場合はRB種)とし、工程1に代えて素地を十分に乾燥させて、工程3を省略する。
注4)JASS 18 M-201 及び M-202 は、日本建築学会材料規格である。
注5)屋内で現場塗装する場合、工程5の吸込止め及び工程6のパテしごきに使用する材料は、上塗塗料の製造所の指定する水系塗料とする。
注6)工程4の建築用下地調整塗材の C-1、C-2 又は CM-2 の使い分けは、[既存コンクリート打放し仕上げ外壁、既存モルタル塗り仕上外壁等の下地調整](ア)及び(エ)による。
[既存コンクリート打放し仕上げ外壁、既存モルタル塗り仕上外壁等の下地調整]
(ア)コンクリート面の下地調整は、次による。
(a) 目違いは、サンダー掛け等により取り除く。
(b) 下地面の清掃を行う。
(c) 下地調整塗材C-2を、1~2mm 程度全面に塗り付けて、平滑にする。ただし、スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は、省略する。
(d) 下地の不陸調整厚さが1mm 以下の場合は、(c)の下地調整塗材C-2に代えて、下地調整塗材C-1を平滑に塗付けることができる。
(e) 下地の不陸調整厚さが3mm を超えて 10mm 以下の場合は、(c)の下地調整塗材C-2に代えて、下地調整塗材CM-2を平滑に塗り付ける。
(エ)押出成形セメント板面の下地調整は、次による。
(a) 下地面の清掃を行う。
(b) 日本建築学会材料規格 JASS 18 M-201[反応形合成樹脂シーラーおよび弱溶剤系反応硬化形合成樹脂シーラー]に基づく塗料を全面に塗り付ける。なお、仕上塗材の製造所の仕様により、下塗材を JASS 18 M-201 に基づく塗料で、代用することができる。
せっこうボード面及びその他ボード面の下地調整
せっこうボード面及びその他ボード面の下地調整 (公共建築工事改修標準仕様書(建築工事編)平成31年度版)
工種 | 種別 | 塗料その他 | 面の処理 | |||||
RA種 | RB種 | RC種 | 規格番号 | 規格名称 | 種類 | |||
1 | 既存塗膜の除去 | 〇 | ― | ― | ― | 既存塗膜を全面除去する。 | ||
― | 〇 | ― | ― | 劣化しぜい弱な部分を除去する。 | ||||
2 | 汚れ、付着物除去 | 〇 | 〇 | 〇 | ― | 素地を傷付けないように除去する。 | ||
3 | 穴埋め、パテかい | 〇 | 〇 | ― | JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 一般形 | 釘頭、たたき跡、傷等を埋め、不陸を調整する。 |
JIS A 6914 | せっこうボード用目地処理材 | ジョイントコンパウンド | ||||||
4 | 研磨紙ずり | 〇 | 〇 | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 | ||
― | ― | 〇 | 研磨紙 P240~P20 | |||||
5 | パテしごき | 〇 | ― | ― | JIS K 5669 | 合成樹脂エマルションパテ | 一般形 | 全面にパテをしごき取り平滑にする。 |
JIS A 6914 | せっこうボード用目地処理材 | ジョイントコンパウンド | ||||||
6 | 研磨紙ずり | 〇 | ― | ― | 研磨紙 P120~220 | 乾燥後、表面を平らに研磨する。 |
注1)屋外及び水回り部の場合は、工程3及び工程5の合成樹脂エマルションパテは、塗料の製造所の指定するものとする。
注2)工程3及び工程 5 のせっこうボード用目地処理材は、素地がせっこうボード面の場合に適用する。
注3)けい酸カルシウム板面の場合は、工程3の前に吸込み止めとして JASS18 M-201 に基づく塗料を全面に塗る。ただし、屋内で現場塗装する場合、吸込み止めに用いる材料は、上塗塗料の製造所の指定する水系塗料とする。
注4)仕上材が仕上塗材の場合は、パテは、仕上塗材の製造所の指定するものとする。
注5)新規にせっこうボードの目地処理工法 (継目処理工法) を行う場合は、RA種とする。
注6)新規に塗装又は壁紙張りを行う場合は、RA種又はRB種とし、工程1に代えて継目処理部分を十分に乾燥させる。なお、壁紙張りの場合は、パテは、壁紙専用のものとする。
素地調整(ケレン)
素地調整程度と作業内容
素地調整 程 度 |
さび面積*¹ | 塗膜異常 面積 *² |
作業内容 | 作業方法 |
1種 | ― | ― | さび、旧塗膜を全て除去し鋼材面を露出させる。 | ブラスト法 |
2種 | 30%以上 | ― | 旧塗膜、さびを除去し鋼材面を露出させる。ただし、さび面積30%以下で旧塗膜が B, b塗装系の場合はジンクリッチプライマーやジンクリッチペイントを残し、ほかの旧塗膜を全面除去する。 | ディスクサンダー、ワイヤホイルなどの動力工具と手工具との併用 |
3種A | 15~30%以上 | 30%以上 | 活膜は残すが、それ以外の不良部(さび、割れ、膨れ)は除去する。 | 同上 |
3種B | 5~15%以上 | 15~30%以上 | 同上 | 同上 |
3種C | 5%以下 | 5~15%以上 | 同上 | 同上 |
4種 | ― | 5%以下 | 粉化物、汚れなどを除去する。 | 同上 |
*1 : さびが発生している場合
*2 : さびがなく、割れ、はがれ、膨れ等の塗膜異常がある場合