令和07年01月07日(火)は?
人日の節句(じんじつのせっく)
五節句の一つで、「七草の節句」とも呼ばれます。
春の七草を入れた七草粥を食べて、一年の豊作と無病息災を願う日。
七草粥に用いられる七つの草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)です。これらの草はそれぞれ栄養豊富で、お正月のご馳走で疲れた胃腸を休めるのにも適しています。
人日の節句の起源は中国にあり、邪気を払うために薬草を食べる習慣が日本に伝わり、独自の文化として発展しました。季節の節目に行事を行うことで、自然と深く結びつき、健康や豊作を祈願する意味が込められています。
五節句とは、
- 1月7日の人日の節句(七草の節句)
- 3月3日の上巳の節句(桃の節句)
- 5月5日の端午の節句(菖蒲の節句)
- 7月7日の七夕の節句(笹竹の節句・星祭り)
- 9月9日の重陽の節句(菊の節句)
のことで、5つの季節の節目を祝う日本の伝統行事です。
なかでも3月3日の節句は「桃の節句」、5月5日の節句は「端午の節句」とも呼ばれ、それぞれ「ひな祭り」「こどもの日」として祝われており、なじみ深い節句となっています。
七草
「七草」とは、日本の伝統的な風習で食される「春の七草」のことを指します。毎年1月7日の「人日の節句」に、これらの七草を入れた七草粥を食べて、一年の無病息災を願う習慣があります。七草粥は、中国が唐と呼ばれていた時代の風習が由来とされています。
春の七草は以下の七種類です:
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- セリ(芹) 川辺や湿地に生える香りの良い多年草で、ビタミンやミネラルが豊富です。食欲を増進させる効果があります。
- ナズナ(薺) 「ペンペン草」とも呼ばれ、ハート形の果実が特徴的です。昔から薬草としても利用されてきました。
- ゴギョウ(御形) ハハコグサのことで、白い綿毛のような花を咲かせます。喉の痛みを和らげる効果があるとされています。
- ハコベラ(繁縷) 一年を通して見られる草で、ビタミンCが豊富です。古くから食用や薬用として親しまれてきました。
- ホトケノザ(仏の座) コオニタビラコのことで、小さな黄色い花を咲かせます。名前の由来は葉の形が仏様の蓮華座に似ていることからです。
- スズナ(菘)カブのことを指し、根も葉も食べられます。「神を呼ぶ鈴」に例えられ、邪気を払うとされています。
- スズシロ(蘿蔔)ダイコンのことで、「清白」を意味し、純粋さや清らかさを象徴します。
これらの七草は、寒い冬の時期に不足しがちな栄養素を補い、お正月のご馳走で疲れた胃腸を休める効果があります。七草粥を作る際には、家族で一緒に七草を刻みながら「七草囃子」を唱えるなど、楽しい行事として親しまれています。
七草粥を食べることは、単に健康面だけでなく、自然の恵みに感謝し、新たな一年の始まりを清々しい気持ちで迎えるという意味もあります。古くから続くこの風習は、季節の移ろいを感じながら生活してきた日本人の繊細な感性を物語っています。
現代でも、この伝統を取り入れてみることで、忙しい日常の中に季節感や家族の絆を感じる機会を作ることができるでしょう。
実は、春だけでなく秋の七草も存在します。秋の七草は主に鑑賞を目的としており、以下の七種類があります:
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- オミナエシ(女郎花)
- ハギ(萩)
- キキョウ(桔梗)
- クズ(葛)
- フジバカマ(藤袴)
- オバナ(ススキ)
- ナデシコ(撫子)
秋の七草は、万葉集にも詠まれた美しい植物たちで、日本の美的感性を象徴しています。
ケンピの日
高知県高知市で長い歴史を持つ菓子舗、有限会社西川屋老舗が制定。
ケンピは、小麦粉と砂糖、少量の卵を混ぜて練り、伸ばして細切りにし、焼き上げた素朴な甘さの干菓子であり、その堅さから「堅干(けんぴ)」と名付けられた土佐伝統の焼菓子。
江戸時代から続くこのケンピを多くの人に親しんでもらい、それにまつわる菓子文化を知ってもらうことが目的。
日付は、西川屋の祖先が白髪素麺の製法をヒントにこの菓子を創製し、土佐藩初代藩主の山内一豊公に献上して御用菓子司を拝命したとされる慶長6年(1601年)1月7日(旧暦)に由来する。なお、ケンピと芋けんぴは異なる菓子である。
旧暦:12月08日
六曜:先勝(せんしょう・せんかち・さきかち)
急ぐことは吉。午前は吉、午後は凶。
先勝には「先んずれば必ず勝つ」という意味があり、「万事において急ぐと良いことがある」とされる日。勝負事にも良く、先手必勝とも言われますが、時間帯によって吉凶が変わり、午前(14時)までが吉、午後からは凶となります。
葬儀などの弔事を行っても問題はないとされていますが、お通夜に限っては夕方から始まり夜通し続くこと、加えて翌日は友を引き連れる「友引」の日になってしまうため、営むことを避けるべきと考えられています。
六曜(ろくよう・りくよう)とは、「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6つの曜を指し、日にち毎に縁起の良い、悪い、を判断する考え方です。
「先勝」→「友引」→「先負」→「仏滅」→「大安」→「赤口」の順で繰り返されています。
六曜は中国から始まり、日本には鎌倉時代に伝わりました。江戸時代には縁起の良し悪しを判断するものとして広まりました。
六曜は根拠のない迷信と見なされることもありますが、日本の文化の一部として受け入れられています。
日干支:丙子(ひのえね/へいし)
日家九星:四緑木星(しろくもくせい)
二十八宿:翼宿(よくしゅく)
耕作始め、植え替え、種蒔きに吉。
高所作業、結婚に凶。
十二直:閉(とづ・とず)
陰陽の気が閉じ塞がって、通れない日。
建墓、池を埋める、穴を塞ぐ、金銭の収納、修繕、葬式は吉。
棟上げ、婚礼、開店、開業、祭事、祝い事、事始めは凶。
七十二候:芹乃栄 (せりすなわちさかう)
六十七候。「小寒」の初候。
芹が盛んに茂る頃。
冷たい水辺で育つ芹は、空気が澄み切るように冷えるこの時期、まるで**“競り合う”ように力強く育ち、1月から4月にかけて旬を迎えます**。
芹は日本原産の多年草で、水田の畦道や沢、河川の水際などで群生しています。『日本書紀』や『万葉集』にもその名が見られることから、古くから私たちに親しまれてきた植物であることがわかります。
芹の独特の強い香りには、胃を丈夫にし、食欲増進や解熱などの効果があり、七草粥に芹を入れるのは、理にかなっています。年末年始のご馳走で弱った胃を助けてくれるのは、嬉しいことです。
ちなみに、「せり」という名前の由来は、若葉が「競り合う」ように群生することから名付けられたといわれています。
七十二候は、一年を七十二等分し、それぞれの季節時点に応じた自然現象や動植物の行動を短い言葉で表現し、約五日間ごとの細やかな移ろいを子細に示したものです。
暦注下段:
帰忌日(きこにち)
「帰忌」とは天棓星(てんぼうせい)の精が人家の門戸を塞ぎ帰宅を妨害するとされる日。 里帰り、旅行帰り、金品の返却など、帰宅に関することが凶とされる。
血忌日(ちいみにち)
「血忌」は、うしかい座の星である梗河星(こうかせい)の精のことで、殺伐の気を司ると言われています。
血に関係したことを忌む日で、鳥獣の殺生や手術などに凶の日。
暦注下段とは、暦の最下段に書かれていた日々の吉凶についての暦注のことで、単に下段とも言われています。古代中国から続く占術である農民暦が基になっています。
科学的根拠がない迷信としての要素が多く、明治時代に旧暦からグレゴリオ暦へ移行するときに政府によって禁止されましたが、当時の庶民は密かに使用し続けました。それ以前にも何度か当時の朝廷や政府によって禁止されることもありましたが、根強く残り続け、現代では自由に使用できるようになりました。それだけ庶民に強く支持されてきた暦注とも言えます。
選日:
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
「一粒の籾が万倍に実って稲穂になる」という意味のある吉日。
開業、開店など、新しいことを始めると大きく発展するとされていますが、金銭の借り入れなどは苦労が増えるため凶とされています。
一粒万倍日は数が多いことから、他の暦注と重なることが多々あります。その場合、吉日と重なったら一粒万倍日の効果が倍増し、凶日と重なった場合は半減します。
大犯土(おおづち)
庚午(かのえうま)の日から丙子(ひのえね)の日までの7日間を大犯土といい、1日の間日をおいて戊寅(つちのえとら)の日から甲申(きのえさる)の日までの7日間を小犯土といいます。
犯土の間は、土を犯す行為(土堀り、穴掘り、建墓、種まきなど)はすべて慎まなければならないとされています。
犯土は、陰陽五行説に基づいた考え方から来ており、土公神(どくじん・土を司る神様)が土の中にいるため、土を犯すことで祟りが起きるとされています。 特に地鎮祭等の建築儀礼には凶日とされています。
これらの内容は土用と共通しています。